こころときめく 営業楽「学」ブログ まだ何もしていない、 だからやることはたくさんある 変わるキッカケのヒント


■売る側と買う側にある深くて大きな溝。


 例えば、不動産購入時の物件詳細情報、中古車購入における車両の履歴や状態、生命保険加入時に提案される保険種類の複雑さなど、企業(提供サイド)は自社の商品やサービスについて詳しい情報を持っている一方、購入者(消費者)は、たいてい限られた情報しか持っていない。

しかも、購入者側は不動産、中古車、生命保険に関しては全くの素人なので、騙されてもわからない。

建築基準法を守らない住宅を売る不動産会社、走行距離や事故履歴を偽る中古車ディーラー、また何も知らない高齢者に入れない保険を契約させる保険会社など、ごくごく一部だが未だに詐欺のような行為が後を絶たない。

 

取引などにおいて、一方が他方よりも情報を持っていて「情報格差」のある状態のことを「情報の非対称性」という。

つまり情報を一方的により多く持っていることで優位性や利益が得られるのだ。

 

先週のブログでも書いたが、医者と患者の関係も高い「情報の非対称性」に包まれている。「情報の非対称性」は、生活でもビジネスなど、実に多くの場面で出くわす大きな問題だし解決も難しい。

なぜなら、一個人があらゆる商品やサービスの情報や知識を持てないからだ。

では、どうすればいいのだろうかって思う。

提供する側は顧客に最適な商品・サービスを提供し最適な利益を確保しつつ、購入者側も満足する商品・サービスを手に入れ納得の料金を支払うなんてことが実現できるのか。

 

保険会社と顧客との間に立ち「代理人」として、顧客に最適な保険を提案・提供する「保険の窓口」のようなサービスは、ある程度は解決してくれるのかも。

情報や知識のない素人でも安心して頼れる第三者サービスの「中古車の窓口」、「中古不動産の窓口」、「病気の窓口」なんてできないかな。

 

でも本当は、信頼できる会社や担当者、そして医者を見る目を養うことが大事なんじゃないかと思うが、それ自体甘いのかな…。

■医者と患者の関係をつなぐもの。


医者と患者の関係は、個人的にもビジネス的にも大きな関心ごとの1つなので、時々取上げている。

 

医者に行って、患者が「私は熱があり風邪なので、ロキソニンを処方してください」と言うか? 

専門家である医者は、目の前にいる患者から問診(ヒヤリング)し診察する。

必要に応じて検査し、知識と経験から、病気を診断し、最適な治療を決めて患者に提案する。

また患者は自分のことだし、自分が一番よく知っているはずだが、病気のことに関しては素人なので、勝手な判断は危険この上ない。

病気のことは専門家である医者が一番知っているはずだ。

 

病気の当事者であり素人である患者と、専門家である医者の関係が、信頼でつながった時に、最適な治療を受けられる(はず)

 

あれっ、われわれの仕事も同じじゃないか…。

患者さんがお客様で、われわれは医者だ。

信頼という関係でつながっているお客様は、困ってることや解決したいことを伝え、

われわれは専門家としてよく話を聴き、最適な解決策を提案する。

何はともあれ、信頼は大事なようだ。

 

患者と医者、われわれとお客様、どちらも人間だから「信じる気持ち」がよい結果を生み出すはずだ(甘いか)

 

Ps.

この歳になると、いろいろな医者にかかるようになったけど、「この前と言うことが違う」とか、他の医者の診断を非難するとか、患者を不安にする言い方、聞かないと言わないとか…医者もいろいろなので、患者もぼうっとしてはいけないから大変だ。

■“ちょっとした心配り”で生まれた感動の場面。


高知市の土佐料理店「司」に、会津若松の元高校校長・坂田哲三さんから手紙が届きました。

坂田さんは定年退職後、苦楽をともにした妻の凱子さんとの旅行を楽しみにしていましたが199712月、奥さんがガンで亡くなります。悲しみから立ち直った坂田さんは、妻の冥福を祈るために、1999年から四国八十八ヶ所の札所巡りを始め、2000年も讃岐から土佐を回りました。

その帰り、高知空港にある土佐料理「司」に入り、ビールを1本と土佐名物のかますの姿寿司を注文し、「あ、グラスを2つ」と付け加えました。

注文を受けたのは入社2年目の近藤ミカさん。お客様が1人なのにグラスが2つとはと不思議に思いながらも、ビール1本とグラス2つを運んだのです。

気になったミカさんがお客さんを見ると、坂田さんは女性の写真をテーブルに置きその前のグラスにビールを注ぎ乾杯したのです。

きっと亡くなった奥さんの写真と共に札所巡りをしてきたのだと思い、姿寿司を運ぶ時、きっと奥さんと一緒に食べたいに違いないと、お箸と箸置きを2組、小皿を2枚持っていったのでした。

 

坂田さんの手紙はこう続きます。「旅行には必ず家内の写真を持って行き一緒にビールを飲むのです。しかし、お箸と小皿を出してくれたお店はおたくが初めてです。驚きと感動で身体が震えました。感激で帰りの飛行機の中でも涙が止まりませんでした」。

 

これは私の体験ではなく、:「あなたが創る顧客満足」佐藤知恭(日経ビジネス人文庫)で読んだ実話だ。そして続きがある。

この話が頭から離れず、出張で高知を訪ねた際、「司」の高知空港店に2度行った。1度目は連れ(お客様)もいたし声をかけられなかったが、数年後の2度目は独りだったので勇気を振り絞って「近藤ミカさんはいらっしゃいますか」と尋ねた。

出できた店長に本で読み感動したことを話し、もしまだ勤務しているのならお会いしたいと伝えた。店長は「近藤ミカさんは、結婚後も勤めていたが、お子さんができたため最近退職しました。坂田哲三さんからの手紙は全員が知っていて、誇りです」とのこと。

 

あぁ1度目に訪ねた時に声をかけていれば会えたかもしれない。

もっと早く勇気を出していればと、ずっと悔やんでいる。

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