こころときめく 営業楽「学」ブログ まだ何もしていない、 だからやることはたくさんある 変わるキッカケのヒント


「ニッチ」は「察知」するものだ。


皆さんも、たまに使う言葉かもしれないが、「二進(にっち)も三進(さっち)も行かない」という慣用句がある。

どうしていいかわからず、すっかり行き詰まって、前にも後にも動きのとれないさま…のことだ。

「八方ふさがり」や「前門の虎、後門の狼」、そして「進むも地獄、退くも地獄」などが同じような意味らしい。

 

私は、いろいろなことが上手くいかない時に「にっちもさっちもいかない」をよく使っていたが、ある時ふっと、それもいきなりこう思った。

われわれのような小さなビジネスこそ、「“ニッチ”を“察知”」しなくてはいけないのではないか…と。

 

以来、ニッチ(隙間)、つまり困っているのに誰も手を出さないコトや、規模(金額)が小さいコトを、探すようになってきた。

確かに、ニッチは文字通り大きな売上にはならないのだが、競争が少ない(ない)のだ。

 

また、ニッチを察知しようとする目で、ビジネスやお客様を観ると、ニッチ(隙間や空白)が見つけられるものだ。しかも見つけると楽しい。

 

自分勝手な解釈だし、単なる語呂合わせじゃないの…と言われたが、“ニッチ”は“察知”するものだと気づいて以来、自分への金言にしている。

 

「二進も三進も行かない」と嘆くよりも、「ニッチを察知する」が小さな会社の生きる術だ。

ますは皆さんも自分の周りのニッチを見つけにいきましょう。

■どこに発注しても同じだから、御社に頼むよ…でよい。


国内を市場とするあらゆるビジネスに共通の現象がある。

モノ余りによる需要減退、世界的な景気低迷、超高齢社会と人口減少など、外部環境が大きく変化することで、多くの製品・サービスがコモディティ化(汎用品化=どの会社から買ってもほぼ同じ)し価格競争(低価格競争)になり、力のない中小・零細企業から苦境に立たされるのだ…と説明されることも多い。

 

中小・零細企業が、この問題を解決するには、技術的なイノベーションではなく、お客様のより深いところにある真のニーズを探り当て、対応していくことへ軸足を変える必要がある。

 

だけど、苦境の本当の理由は、お客様の悩みに寄り添おうとしない仕事ぶりや、愛情を感じない商売だからじゃないのって思ってしまう。

自分の仕事が好きで、製品・サービスを使っていただくお客様に何とか役に立ちたいという気持ちを、お客様が感じなければ、安いモノを買う。

 

「他と比べると少し高いけど、どうせ依頼しなくちゃいけないから、御社で…」で充分じゃないかと思ったりして。

御社“が”いいのではなく、御社“で”いい…という仕事は、確かに価格は安いし、モチベーションも上がらないかもしれないけど、お客様と話す機会ができる。

つまり悩みに寄り添えるし、お客様へのお役立ちの気持ち(愛情)を伝えられるのだ。

 

お客様の要望通り、一所懸命仕事しているのに…、お客様は結局安いとこで買うし…と思うかもしれないけど、売れない理由や価格競争の理由は、外部環境だけでなく、われわれのお客様や仕事にする気持ちや姿勢にもあるんじゃないだろうか。

 

甘いかな~。

■甘い誘惑(大企業病)に勝てるか。


日本には359万社余りの企業があり、実に99.7%358万社が中小企業らしい(2016年経済センサス活動調査より)

自らを中小企業だと思うのなら、やってはいけない競争が3つある。

 

1.「規模を求める競争(売上至上主義)」。

1万円の売上を100件作るより、100万円の売上を1件作る方が “一見”効率的だし、カッコもいいので気持ちが傾く。しかし1万円と100万円の仕事では、競争相手が異なることが多く、たいていは自社より規模が大きく、能力も高い。日常的に扱う売上が、1万円~5万円の会社と、100万円~300万円の会社とでは、“手慣れ度合い”が全く異なる。つまり身の丈に合わない規模の仕事には不慣れゆえの無理や無駄が生じるのだ。もし1万円の売上(少額)に手慣れているのなら、150件こなす能力を磨くべきだ。

 

2.「価格競争」。

価格競争を全て否定するつもりはないし、売上のために「価格を下げてでも受注する」こともある。たしかに価格は競争に勝つ武器だが、問題は低価格受注が常態化すること。営業の免罪符になり、お客様からは値下げする会社というイメージが定着すると、容易に覆すことができない。そもそも、売上のために営業自らが価格を下げるのは、自分の価値を自分で下げているようなもの。中小企業なら「価格競争」、つまり低価格受注を最後の最後までがまんする打ち手(お客様の手間を減らす、代行するなどメリット)を持つことだ。

 

3.「品揃え競争(総合化)」。

売上増のために、経営者も営業パーソンも常に営業品目を増やそうとする。しかし考えてみると、中小企業が品揃え(総合化)増強のための設備投資や人員増強は、それ自体無謀だし、オール外注だとノウハウ蓄積もできず、良いことは一つもない。中小企業がやるべきことは、品揃え増強(総合化)ではなく、品揃えの絞り込み(専門化)だ。もっとも得意で、お役に立てるわが社の代表的製品・サービスを磨き上げ、「■■■ならわが社」という評判とイメージ作りだ。

 

難しいし、勇気も要るけど、以上の3つが、中小・零細企業がやってはいけない競争であり、生き残る道だ。

そんなことはできない、そんなの嫌だ…とお思いなら、大企業になるしかない。

どうします?

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