本棚に「苦情という名の贈り物」という本がある。

奥付には199910月発行とあるので23年も前だ。いつ買ったかは覚えていないし、
何故買ったかも思い出さない。が、もしかしたらタイトルに惹かれたのかもしれない。


著者はアメリカの顧客満足コンサルティング会社の社長で、できるだけ多くの苦情を
いただくことこそ、顧客満足の素であり、苦情を専門に扱うコンサルティングしている。


アメリカという国は、どんなことでもビジネスに代えてしまうしたたかさに、ただただ関心する。

お客様が製品やサービスに不満を感じた時には2つの選択肢がある。
何かを言うか、立ち去るかだ。


立ち去ってしまうと、企業(お店)は、その不満を直す機会を失うことになる。
もし何かを言ってくれ、対応したことで満足を感じたら、再び購入してくれる可能性がある。

 

[顧客と苦情に関するテータ]

・不満を持った顧客のうち苦情を言う顧客は27人に1人である。

・不満を持った顧客は平均8人から10人の人に不満を言いふらす。

・不満を持った顧客の5人に1人は、20人以上の人に言いふらす。

・不満が解決された顧客は、不満がなかった顧客より再購入率が高い。

・よくも悪くも顧客の口コミ効果は企業の広告効果の2倍以上である。

 

私が言うのも変な話しだが、比較的苦情が少ない会社だと思っているが、
この23年間で23度と読み返してみると、年齢のせいなのか、
新たな発見もあることに気づく。


私も、苦情はもらいたくないけれど、もしかしたら苦情を言うお客様は、
私たちに贈り物を与えているのかもしれない…と思える。


誰でも、贈り物はうれしいものだから、私だけでなく、全員がお客様からの苦情を、
“苦情”ではなく、“贈り物”と感じて、すぐさま社内で共有したり、
即効で対応できれば、本当の贈り物になるかもしれないと、
「素直なおじさん」としては思った次第だ。

 

“苦情”は隠したり、黙って対応したりするものではなく、
“他人ごと”ではなく、“自分ごと(会社ごと)”として、
“贈り物”と考え、みんなで共有し対応できれば大したものだ。

 

「言ってもらえる内が華…、言われなくなったら終わり…」と
同じような意味なのかもしれないと思ったのでした。

 

小さな“贈り物”、毎日あるんじゃないですか?