製品品質がお客様満足(受注)の決め手なら、品質を軸に価格と納期対応を頑張ればよい。しかし現状多くの業界では品質、価格、納期は競合と横並び、つまり決め手としては弱いのだ。
私の説は、「満足品質」=「製品品質」+「営業品質」、そう品質は2つあるのてす。
[第1の品質]製品品質。
製品品質は、文字通り製品の品質に加え、価格、そして納期の3つのバランスで構成される。例えば、品質は高いが価格はめっぽう高く納期が不安はダメなのだ。
だからバランスなのだが、お客様に問えば、「早い、安い、美味い」と言うだろう。
われわれは、製品は高品質だが、価格競争が厳しいから安くし、急ぎにも対応しているから満足しているはずと思っているかもしれないが、お客様はほんとうに「早い、安い、美味い」を望んでいるのだろうか。
「製品品質」は、商談のテーブルに乗るための基本条件としてとても重要だが、多くの業界で製品品質に差がない今、差が開くのは「営業品質」だと思う。
[第2の品質]営業品質
営業品質とは、お客様の問い合わせに始まり、見積り依頼、検討、発注、納品、そして納品後までの営業とのやり取りの中で創りあげる、お客様との親密な関係と信頼だ。
例えば、A社の田中さんとの仕事は、早めの連絡やこまめな対応で安心、そして自分(お客様)の手間を省こうと仕事も手伝ってくれるので助かるし、心地よく進められる。
お客様にとって「満足品質」とは、「製品品質」+「営業品質」なのだと思う。
「製品品質」はモノの品質なので、営業が立ち入る余地はあまりない。しかし「営業品質」は、営業が日々のお客様との接点で創りあげる品質である。
お客様にとって「満足品質」は2つあるのに、未だに多くの営業は「製品品質」しか気にしないようだ。
お客様から見ると、「製品品質」はどの会社でも同じようなものなので、「営業品質」の差が発注に傾く。
そして「満足品質」は高い参入障壁になるわけだ。