セリングとマーケティングは何が違うのか

セリングは営業や販売と日本語に訳されているが、マーケティングはたぶん的確な日本語訳がなく、ずっとマーケティングだからか、未だにセリングとは似たようなもんだ…と理解される場合もあるし、市場調査や広告宣伝くらいに思われているかもしれない。

私は以下のように理解している。

 

セリング(営業)は「今日の飯の刈取り活動」であり、受注による売上の獲得である。

マーケティングは「明日への種蒔き活動」であり、需要(お客様)の創造」だ。

セリングが短期視点、マーケティングが長期視点と言ってもいいし、その両方が大事なのがわかる。

 

私の拙い経験だが、私の周りにある企業は「低マーケティング/高セリング」が多い。

これは、なにも中小企業だけでなく、50010002000人規模の企業でも見受けられる傾向だ。どうもマーケティング部門の肩身が狭いのだ。と言うか、営業部門の力が強いのだ。

上述したように、セリング(営業)は、今日の飯の刈取り部門だから、自分たちが会社を養っていると自負したくなるのはわかる。

しかし既存の顧客や業界に、既存の製品(サービス)を販売することで、売上・利益も充分あり、しかも今後何年も成長できる…なんて企業は見たことない。

 

どう考えても、未来の売上・利益や成長のために、既存顧客や業界に新たな製品(サービス)を提供する、新規顧客や新規業界に既存製品(サービス)をどう提供していくかに取り組まなくてはならないのだ。

将来飯が刈り取れるようなビジネスに仕上げていく取り組みこそ、マーケティングなのだ。

 

今からでも遅くない。現場最前線から離れた今こそ、私に課せられた仕事は「わが社のマーケティング」だ。