ご存知の方も多いと思うが、紙の電話帳「タウンページ」は、この3月末で発行終了し136年の歴史に幕を下ろす。インターネットやスマートフォンの普及により、冊子で電話番号や住所を調べる人が減ってきた結果だ。代わり今後はインターネット版の「iタウンページ」の利用を促すとのこと。
タウンページの源流は、当時の逓信省が1890年の電話開通に合わせて発行した「電話加入者人名表」で、1983年に現在の名称となった。発行部数は2005年度の6310万部がピークで24年度には2015万部に減少。近年は年間数十億円規模の赤字が出ていたという。
個人的には実家にあったのを覚えている程度だが、「タウンページ」を印刷していた会社(NTTグループの印刷会社)は思い出がある。たぶん2005年か2006年ごろだったと思うが、営業研修をさせていただいたのだ。
当時はタウンページが大盛況で、営業部門は活気に溢れ、営業の皆さんも自信満々、親会社から自動的に発注される大量のタウンページの受注を捌くだけで売上予算は達成されるので何の心配もなかった。
このような環境では、そもそも営業研修を受ける必要性すら感じないのは当然で、私から提案した顧客担当者との人間関係のつくり方、ライバルとの差別化を図り、さらなる深耕を進める。さらに困りごとをつかみ、解決につながる提案を実施し、なくてはならないパートナーにつなげていく。そして常に新たな顧客開拓のために、チーム営業を実践するための仕組みづくり…なんてことは、当時の彼らには無用の長物だったのだろう。
私はいつもの通り全力投球したが、彼らにとっては土曜日の6時間は苦痛以外の何物でもなかったのかもしれない。
そもそも、なぜ不要な研修を企画したのかを改めて考えてみると、もしかしたら当時の経営者や親会社(NTT)の偉い方は、紙のタウンページはいつか不要になることを見越して、今の内から普通の営業として自立させたかったのではないか…なんて思うのだった。
136年も続いたことにも驚きだが、なんでもそうかもしれないが、あまりにも長く続くと永遠にあると勘違いしてしまうが、やはり始まりがあれば終わりが来るのだ。
